ESN tax consulting デジタル課税 柱2 自民党税制大綱でその概要が明らかに? | ESN tax consulting | 税理士、シニアコンサルタントによる高品質の税務コンサルティングファーム | 東京都千代田区

Home >  新着情報一覧 >  合算課税  >  デジタル課税 柱2 自民党税制大綱でその概要が明らかに?

NEWS 新着情報

デジタル課税 柱2 自民党税制大綱でその概要が明らかに?

令和4年12月16日に公表された自民党税制改正大綱では、グローバルミニマム課税の対応として、デジタル課税の柱2が法制化され、令和6年4月1日以降開始事業年度から導入されることが決定された。対象となる多国籍企業グループは、収入を直前4年間の水準を確認するものがあるものの、ほぼ国別報告書及び事業概況報告事項の提出が求められる特定多国籍企業グループと同様となる。既存の外国子会社の合算課税制度は特定外国関係会社から除外される租税負担割合が現行の30%以上から27%に見直され、添付対象の部分対象外国関係会社の添付書類が保存へと見直しがされたものの、グローバルミニマム課税とは併存する体系となることが決定されている。
グローバルミニマム課税は、国別の実効税率が15%に満たない場合に、その差分を補充する税額(Top up tax)を国別及び会社(構成企業)別に計算し、最終親会社の持分を勘案して計算した金額を国際最低課税額としてその90.7%を法人税、9.3%を地方法人税として申告納税する制度である。但し、国別の実効税率が15%に満たない場合でも、実施ベースの所得除外額として、一定の給与の5%及び有形固定資産の額の5%(導入初年度はそれぞれ9.8%及び7.8%)は国別グループ純所得(国別Globe純所得)から除外されるので、多くの日本企業はこれにより納税が発生する事態は回避できることが期待される。国際最低税額が発生する場合には、事業年度終了から15か月以内に申告書を提出し納税する必要があるが、国際最低税額がない場合には、申告書の提出義務は生じない。
しかし、情報申告制度の創設が制度化され、特定多国籍企業グループの最終親会社は、事業年度終了から15か月以内に情報申告書を提出する義務が生じている。申告情報は区別報告書と重複する分野が多いが、新たな情報として国別実効税率と国別国際最低課税額がある。国別実効税率の分母は連結財務諸表の財務報告で採用された会計基準により計算した当期純利益に法人税、受取配当金等の一定の調整を行い計算し、分子の対象租税の額は税効果会計を含む会計上の法人税等に一定の調整を加えた金額となる。また、外国子会社の合算課税により生じた追加法人税額は対象租税に含まれる。企業の負担は増加していくが、法人税申告書の作成の子会社合算課税制度の情報収集、国別報告書の情報収集及びぐろばーるミニマム課税に係る情報は相互に関連しているものが多いことから、分類整理した情報収集の手順の検討をまずは行う必要がありそうだ。